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高峰譲吉博士の全米発明家殿堂入り~The National Inventors Hall of Fame
07/15/24
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今年5月9日、ワシントンD.C.で全米発明家殿堂のセレモニーが開催され、日本クラブ初代会長の高峰譲吉博士が殿堂入りを果たしました。
Jokichi Takamine
Adrenaline (Adrenalin®)「全米発明家殿堂」The National Inventors Hall of Fame とは、人間的、社会的、経済的進歩を可能にする偉大な技術的進歩を担う人々を称えることを目的とし、1973年に設立された発明家と発明品のための非営利団体です。殿堂入り選出のプログラムを、次世代の発明家育成につなげることを目的としています。
高峰博士の死後100年以上経っているのにも関わらず、今回殿堂入りしたのはなぜでしょうか。近年コロナワクチンの副作用で起こり得るアナフィラキシーショックに対し、アドレナリン製剤、エピペンが効果があることが実証されています。この薬は高峰博士が世界で初めて抽出に成功し、特許を獲得した「アドレナリン」が主成分です。アドレナリンの発見で,いまなお人類がその恩恵をこうむっている日本科学の先駆者、高峰博士の偉業と功績が、今回改めて評価されたのかもしれません。
高峰譲吉は1854年に富山県高岡市に生まれ、1890年に渡米し、そしてアメリカに永住しました。化学者、実業家、そしてバイオテクノロジーのパイオニアであり、その研究によりタカジアスターゼやアドレナリンを発見し、医学の発展に大きく貢献しました。
また、余生を慈善事業に費やし、日米友好にも多大な貢献を果たしました。1905年にはニューヨークに日系アメリカ人と日本人のための紳士クラブ、日本クラブを設立しました。来年2025年に、設立120周年を迎えます。
1912年、日米間の友好関係を育て、強めるためにワシントンDCに桜が寄贈されました。高峰博士はこの寄贈に深く関わった1人でもあり、その功績を称え、ポトマック河畔にはその歴史を紹介するパネルが設置されています。この高峰博士の日米親善活動の証である桜並木は、今も毎年春になると見事な桜を咲かせています。