展覧会
「日本の復興力」展 ~世界の災害に応用~
災害はいつどこで起こるかわかりません。 そして、それが何であれ、環境、生活、人生を変えてしまう大変な出来事です。2011年の東日本大震災を振り返れば、21世紀の情報溢れる時代にあって、それでも自然の前には無力であることを思い知らされました。 被害は甚大でした。今日でも、まだまだ苦労、再建の努力は続いています。
5年も経てば、震災の話をメディアで見かけることも少なくなってきました。はたから見れば、日本の復興は順調でもう心配ない、と見えるかもしれません。 しかし現実にはまだ多くの問題が残されています。この5年間で何がなされてきたのか、これから何をしなければならないのかを確認するタイミングだと考え、本展を通じて、復興で参考になる事例を映像と画像でご紹介致します。
新たなチャンスを探す人々。若い起業家たち。厳しい状況の中で力強く立ち上がった人々。必要に迫られたということも大きいでしょう。アイデアを絞り、状況打開を目指す姿勢は災害がすべての終わりではなく、始まりであったことを思いおこさせます。
世界に目を向ければ、この5年間にさまざまな災害が起こっています。災害とはある地域だけの問題ではありません。日本の東日本大震災復興の具体的な事例が、世界各地で起こりうる災害からの復興に際して大きな参考になることを期待します。
本展には、震災がきっかけで東北に移住した4人のカメラマン(古里裕美、平井慶祐、岩波友紀、鈴木省一)がボランティアで参加しています。絶望を目の当たりにしながらも、地域を甦らせたいという熱く切なる思いと、人々への限りない愛情を、記録した写真と映像から感じとって頂けるものと思います。
また、震災後に発足した学生ボランティア団体のYouth for 3.11も本展にボランティアで参加しています。学生ながらも初代復興大臣の平野達男氏と世界的建築家の伊東豊雄氏にインタビューをしています。
さらにニューヨーク拠点で世界を舞台に活躍する芸術家、安籐美夜による、震災で失った命の鎮魂と今後の日本の安寧を祈るインスタレーション作品が展示される予定です。
政治家や行政関係者。建築家、製造業・水産業・農業に携わる人々。スーパーマーケットで働く人々。伝統職人、医療福祉関係者。ベンチャーに挑む人々。教育、文化関係者。ジャーナリスト、現代アーティスト、学生、子供達、そしてコミュニティの老人たち。
本展は、さまざまな人々が日本ギャラリーにそれぞれの思いを持って集まり、一つの大きな声となって世界に向けて語りかけるものです。
写真キャプション:ソーラー・アグリパークで学ぶ子どもたち(福島県) ©Yuki Iwanami
主催:日本クラブ
協賛:JCCファンド (ニューヨーク日本商工会議所)
後援:復興庁、国際連合日本政府代表部、在ニューヨーク日本国総領事館、
国際交流基金ニューヨーク日本文化センター
協力:東北大学五十嵐太郎研究室、東北在住の個人写真家 (古里裕美、平井慶祐、岩波友紀、鈴木省一)、特定非営利活動法人Youth for 3.11、一般社団法人 東北映像製作社協会、
一般社団法人まきビズ 、ノラ・イブラヒム、安籐美夜、うちだかずこ、宮本悠合、東北の人々
監修: タキウラユタカ (建築家、プラット・インスティチュート准教授)
キュレーター: 佐藤恭子 (インディペンデント・キュレーター)
【監修とキュレーター】
本展の監修を務めているタキウラユタカは、建築家でプラット・インスティチュート准教授ですが、日頃から高度な建築やデザインを、デザインを必要とする 人々に届けることを願い、世界各地の震災被災地にデザインを提供する努力を続けてきました。本展のキュレーターの佐藤恭子は、震災直後に日本クラブで開催 した「東日本大震災報道写真展」(日本クラブと朝日新聞主催)をコーディネートしたほか、日韓国交正常化50周年を記念した現代アート展”Re: Kontemporary, Fermented Souls” (ウォーターフォールマンション、国連基金がサポート)のキュレーターを務め、復興と平和のために活動しています。
会期 | January 28–February 23, 2016 |
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開催時間 | Hours: Mon-Fri: 10:00 am – 6:00 pm, Sat: 10:00 am – 5:00 pm |
場所 | The Nippon Gallery at the Nippon Club 145 West 57th Street, 7th Floor New York, NY 10019 |
入館料 | Free |
詳細 | Tel (212) 581-2223 E-mail: info@nipponclub.org URL: www.nipponclub.org |