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展覧会

秋田からの美しい道具展 in New York 2016

日本ギャラリーでは、来たる10月17日(月)より19日(水)までの3日間、秋田匠会に所属する栗盛俊二氏と橋野浩行氏を迎え、「秋田からの美しい道具展 in New York 2016」を開催致します。
 
経済産業大臣指定伝統工芸士の栗盛氏は、自然杉を材料に用い、細部にまで機能性・使いやすさを追求した工芸品「曲げわっぱ」を制作しています。その昔、木こりが杉の生木を曲げ、桜皮で縫いとめた手製の弁当箱が「曲げわっぱ」の元祖だと言われています。自然の厳しさに耐え、弾力性に富む天然のまっすぐな秋田杉を利用して作られる曲げわっぱは、夏には保冷、冬には保温が可能な、自然の力を最大限に生かした古人の知恵の結晶。
 
その製造工程には膨大な手間と時間、訓練を積んだ職人の技を要します。日本各地にも様々な曲げわっぱが存在する中、秋田天然杉の木目、木肌、色、香りを生活用品に集約した日用の工芸品とされる大館曲げわっぱのみが昭和55年に国の伝統工芸品指定を受け、その優れた技術を今に伝えています。生活の道具として伝わった伝統の技術を今に伝えるべく、「現代の曲げわっぱ」をテーマに現代人の日常生活に適した曲げわっぱを提案し続ける大館曲げわっぱの老舗、栗久の六代目の栗盛俊二氏の作る曲げわっぱは、伝統の技術とモダンなデザインを見事に調和させ、秋田県初となるグッドデザイン賞ほか、全国伝統工芸品展・デザイン賞、ロングライフデザイン賞など数々の賞を受賞。手になじみやすい円錐形の完全なオリジナルなど、他に類をみない美しい仕上がりの曲げわっぱを多く作り出しています。
 
橋野氏は秋田県鹿角市を拠点にして活動し、OMOTENASHI Selection 2016金賞を受賞。「斧折樺(おのおれかんば)」という樹齢500年の木を材料に用い、ユニークで斬新なデザインの工芸品を制作。ひとつひとつの作品はグラインダーで丹念に削り、サンドペーパーを使って美しい曲線に仕上げられています。斧折樺は、北上山系などの山肌に自生する落葉高木です。過酷な環境で育つため、年に0.2ミリほどしか太くなりません。これにより、密度が高く、堅くて丈夫な組織が出来上がります。木の名前が示すように斧が折れるほど堅く、水に沈むほど重い木です。加工は非常に困難ですが、木肌の滑らかさ、持った時の質感は、斧折樺でしか在り得ない、特有の美しさがあります。入手も加工も難しい木を使って、三次元的な造形に、メッセージ性や精神性が吹き込まれた「ほかにはないもの」を作るのが橋野氏の信条です。「機能的でありながらも曲線美の追及を目指し、『使いたい』と思える美しい形を意識しています」仕事をしているその瞬間が好きでたまらないと話す橋野氏。「いずれ目にすることさえ難しくなるだろうと予想される貴重なこの木を使い、今後も自然の残るこの北の地から、『ほんもの』の提供を心がけていきたい」と橋野氏は考えています。
 
展示作品は、宮内庁に納められた橋野氏の靴べらセットや、ひねり髪すき、また、グッドデザイン賞を受賞した栗盛氏によるレディース入子弁当、また、ロングライフデザイン賞を受賞した徳久利やぐいのみなど日常の生活用具が中心です。
 
二日目の10月18日(火)は午後5時より、栗盛氏・橋野氏両名作のぐいのみを使っての日本酒試飲会を開催いたします(参加無料)。香木の香りもお楽しみいただけるように準備させていただきます。どうぞお気軽にお越し下さいませ。
 
秋田から世界へ渡る二人の匠魂の作品を是非ご覧下さい。

会期 2016年10月17日(月) ~10月19日(水)
開催時間 10:00 am - 6:00 pm(月)10:00 am - 7:00 pm (火)10:00 am – 5:00 pm (水)
場所 日本ギャラリー
入館料 無料
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