展覧会
日本クラブ企画展 「地球の色―日本画と天然岩絵具」
日本画は、千数百年以来続いている絵画様式が基本となって発達してきました。その画材も歴史に培われた伝統的な素材です。日本画における岩絵具の歴史は、仏教伝来と共に始まるとされています。約1400年以上、素材や技法も変わることなく現代まで受け継がれてきました。近代化が進むにつれ、人造の岩絵の具が大量生産されているのが現状ですが、世界でも日本だけが天然岩絵の具の製造を続けています。
鉱物質の砕きかたが細かいほど淡い色になり、荒いほど濃色になるという特徴を持ち、幾重にも塗り重ねて表現されるその色は繊細で優雅な和の色です。天然岩絵具研究の第一人者である橋本弘安氏は、鉱物質を科学的に検証し、現代のナノテクノロジー技術と共に天然岩絵具の新たな創造を広げています。
本展では、天然岩絵具に焦点を当て、岩絵具の制作過程、岩絵具による日本画・書・工芸作品、そして現代ナノテクノロジーのジェットプリント画をご覧頂きます。また、岩絵具に魅せられ日本へ渡ったアメリカ人日本画家、アラン・ウェスト氏の作品を展示いたします。ウェスト氏は、身近にある自然の中に美を見出し、琳派の伝統と狩野派の筆法を受け継ぎながら、現代的かつ独創的な感性で自然を表現します。
天然岩絵の具を用いた日本伝統文化と新たな現代技術から生まれる岩絵具の美を感じて頂きたいと思います。近代以前、世界中で使われていた天然岩絵具ですが、再び現代の粉砕技術により制作された岩絵具の美術・文化への新たな創造の広がりをご鑑賞下さい。
出展作家
橋本 弘安 (女子美術大学名誉教授)、村岡 貴美男(女子美術大学日本画専攻特任教授)、岸野 香(女子美術日本画専攻大学教授)、宮島 弘道(女子美術大学日本画専攻教授)、稲田 亜紀子(女子美術大学日本画専攻准教授)、渡邊 三奈子(女子美術大学工芸専攻教授)、工藤 直(女子美術大学工芸専攻教授)、吉田 潤一郎(女子美術大学工芸専攻教授)、荒 姿寿(女子美術大学 工芸専攻准教授)、大崎 綾子(女子美術大学工芸専攻特任准教授)、能見 英子(女子美術大学ヴィジュアルデザイン専攻教授)、松本 博子(女子美術大学プロダクトデザイン専攻主任教授)、尾藤 衡己 (川柳)(女子美術大学特別招聘教授)、内藤 牧男(大阪大学接合科学研究所教授)、アラン・ウェスト(日本画家)、鈴木 猛利(書家)
主催:日本クラブ
特別協力:女子美術大学
後援:在ニューヨーク日本国総領事館、国際交流基金日本文化センター、一般社団法人粉体工学会、
愛媛県新居浜市美術館
監修:橋本 弘安 (女子美術大学名誉教授、日本画家)
キュレーター:林 祥子
会期 | 6/20 (Thu)-7/17 (Wed) |
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開催時間 | Monday-Friday 10:00-18:00 Saturday 10:00-17:00 Sunday Closed |
場所 | The Nippon Gallery at The Nippon Club (7th Floor) 145 West 57th Street, New York, NY 10019 |
入館料 | 無料 |
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