JAPANESE | ENGLISH

はじめてご利用の方はこちら

イベント詳細

「ニューヨークの医師に聞く 〜COVID-19に関する緊急特別インタビュー」より医師からのご回答


4月13日開催のウェビナー「ニューヨークの医師に聞く 〜COVID-19に関する緊急特別インタビュー」にご参加いただいた医師会の先生方より、時間内にお答えできなかった皆様からのご質問に、ご多忙の中お答えいただきましたので、ご案内申し上げます。なお、全てのご質問にはお答えできておりません事、また4月28日現在の回答であることを何卒ご了承下さいませ。

▼ご参加頂いた医師
大石 公彦 医師 (マウント・サイナイ病院)
安西 弦 医師 (レノックスヒル病院医師、ニューヨークミッドタウン産婦人科院長)
加納 麻紀 医師 (マウント・サイナイ病院、東京海上記念診療所)
カマール・ラマニ 医師 (一般内科・20 イーストメディカル院長)


Q. 日本では希望すればアビガンを使ってもらえるようですが、NYでも同様でしょうか?

 Aviganは現時点で、FDAおよびHHS (Health and Human Services)にて検査・検討されておりますが、まだ承認されていないため、米国での患者にはCOVID-19治療にAviganを使用できません。


 Q. 新型コロナウイルスに一度感染して場合、体内に抗体が作られるのでしょうか?一度感染してしまえば2度目の感染はすぐには起こらないと考えられるのでしょうか?

 新型コロナウイルスに一度感染した場合、おそらく血液検査で測定できる抗体反応が高まります。ウイルスに対する十分な抗体を持っている場合、その人は再感染から保護されると推測されます。ただし、新型ウイルスのため、一体どれほど、どのくらいの抗体で保護されるのかはまだ分かりません。また、入院してウイルスに感染した人の中には実際にポジティブな抗体が出来なかった報告もあることは注視すべき点です。


 Q. 感染するのに必要な最低数のウィルスはありますか?例えば1個のウィルスでも問題になるのか、その程度なら自己免疫でやっつけられるが100個なら無理とかです。

https://www.nytimes.com/2020/04/01/opinion/coronavirus-viral-dose.html?searchResultPosition=2

このリンクは、4月1日のNY Times Opinion section  Princeton 大学の教授が寄稿したものですが、簡単にまとめますと、一般的に大量のウイルスに接触した方が、少量よりも感染のリスクが高いというのが、実験室内で動物実験での結果であり、そして、人間でも同様な傾向が見られるという事です。何個以上のウイルスといった数字はありませんが、ウイルスの量が少ない場合は、免疫の力でウイルス増殖が抑制されるからだと考えられます。もちろん、今回の新型コロナウイルスに限っての人間のデータはありませんが、おそらくは同じであろうと推測されるので、ウイルス感染の機会を避けるのみではなく、そうしたリスクを伴う行動をしなければいけない場合は、(例えばスーパーに食料品の買い出しに行く場合)、できるだけ時間を短くし、距離を保ち、接触するウイルスの少なくするのが重要であるとしています。


Q. 自分が感染後、他者に感染させるリスクがある期間は、いつ頃からいつ頃まででしょうか?

 これは良い質問です。 現時点のガイドラインでは、最初の症状の7日後、また薬なしでも発熱がなく高熱症状が改善してから72時間後に、且つ、咳や呼吸困難などの症状に改善が見られた場合に、通常の生活に戻れる述べています。 しかし、報告によると、この期間の数日後や数週間後にも無症状でウイルスが排出される可能性があり、感染力は大幅に高まり、その人は感染を続ける可能性があります。 報告によると、発熱などの症状が現れる前の日が最も感染性が高いとされています。


 Q. 2歳以下の子供に関する質問です。予防になる食事や、外出についてなど・・・赤ちゃんをコロナから守る方法についてお聞きしたいです。

 2歳未満の乳幼児を連れて家の外に出る場合は、子供にマスクをかけることはお勧めしません。ただし、他の人から6フィート(2メートル)以上離れて、混雑していない場所にいるようにしてください。また、プレーグランドには行かない様にして下さい。周りに人がほとんどいない、草の生えている芝生や庭は安全でしょう。外出後はお子様の手をよく拭いてください。 


Q.マスクの効力はどこまであるのでしょうか?

 4月17日の午後8時より、ニューヨーク州では、Public Space でのマスクの着用が義務付けられました。これまで、マスクは、感染しているウイルス保持者がが他の人にうつさない様にするのには有効ですが、健康な人が感染予防に使うのには意味がないと言われてきました。感染者が咳をした時に、飛沫が飛ばないようにという効果はあるが、空気中に浮いているウイルスは、マスクの目よりもずっと小さいので、それを防ぐ効果はないとされてきました。これは実験的にも裏付けられていますし、事実だと思います。ただ、あまりに感染者が増え、50%の感染者は無症状であった(CNN, Iceland からのデータ) とのレポートもあるので、とにかく外にいる人は、一人一人が皆 感染しているというつもりで行動した方が良い、従って、皆マスクをすれば、感染のリスクが減るという事でしょう。
新型コロナウイルスの大流行の中で、マスクをするのは、社会の一員としての責任だと思います。自分のためではなく、他の人たちを守るためにです。


 Q. コロナに感染した場合、どういう人が重症化しやすいでしょうか?

 重症化するリスクの高い方は、高齢者、免疫不全の人、COPDや喘息などの肺疾患のある人、糖尿病患者、肥満の人々です。


 Q. 食物アレルギーの人は感染しやすいでしょうか?

 私の知る限りでは、食物アレルギーのある人が感染されのが最も高いとか、より高いということは聞いておりません。


以上

前回のウェビナー後、ご参加頂いた皆様(328名)を対象にアンケート調査を致しましたところ、極めて有益な情報を得られた(46.67%)、結構有益だった(30.00%)と、ほぼ8割の聴講者にとって有益なウェビナーだったという結果となりました。また、たくさんの貴重なコメントも頂き、誠にありがとうございました。

 

インタビュアー:前田正明 日本クラブ事務局長代行・JCCI専務理事代行
(技術監修:本下昌彦 / MSS-New York, Inc.

イベントカレンダー

  • S
  • M
  • T
  • W
  • T
  • F
  • S
  •  
  •  
  •  
  •  
  •  
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
バナー広告
ご希望の方はこちらへどうぞ。