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イベント詳細

元マウントサイナイ医学部助教授、現社団法人「認知症高齢者問題研究所」理事
塩井 純一博士講演会
「認知症介護-自宅介護及び自助介護に向けて」

セミナー
12 / 05 / 16
  • 日本クラブでは来る12月5日に、元マウント・サイナイ医学部助教授、現社団法人「認知症高齢者問題研究所」理事の塩井 純一博士を迎え講演会、「認知症介護-自宅介護及び自助介護に向けて」を開催致します。
     
    長年に亘り、最先端でアルツハイマー病を研究してきた塩井純一博士は、最近、日本の社団法人「認知症高齢者問題研究所」で電子機器・携帯機器を活用した高齢者介護のシステム開発に関わり始めました。
     
    アルツハイマー病に代表される認知症の多くは高齢化に伴って顕著に表れてくる特徴があり、近時の高齢化社会の出現による患者数の急激な増加で注目される様になってきました。また他の多くの病気が急性なのに対し、いわゆる神経萎縮症に属するアルツハイマー病は発病後も10年前後に亘って慢性的に進行するのも特徴であり、そのうえ治療法が未だ見つかっていない現況下で、長期に亘る患者の介護が深刻な問題になって来ています。病気を治す「医療」のシステムが社会的に確立しているのに比べ、治す事のかなわない病気の長期「介護」のシステムの開発は非常に遅れているのが現状です。医者やプロの介護士によるケア以上に家族や親族による個々の体験的な介護の比重が大きいのが現実であり、他方供給の限られる医療・療養・介護施設に収容するよりも住み慣れた自宅で療養する在宅介護が望ましく、また現実的と考えられる様になってきてます。更に最近の介護研究・行動観察から、患者本人の意思・意欲の重要性が認識される様になり、「患者を介護してあげる」というより「患者の自立生活を長期的に支援する」方向に向かいつつあります。
     
    その様な現実と考えに立って、医療者、介護士、家族、更には患者本人も含めての連携、いわゆるチームケアの必要性が高まって来ており、タブレットやスマートフォン等の電子機器を駆使しての、医療や介護記録の収集・解析・対応策とその閲覧における情報の共有化により、このチームケアが可能になりつつあります。またインターネットにより、お互いが離れていても繋がることが出来るので、これは在宅介護における患者やその家族(同居していない場合も含めて)には強力な武器になると思われます。更に膨大な数の個々人の介護・観察記録の統合が可能になり、それに基づいた信頼度の高い対応策が提示されつつあります。
     
    本講演ではこの所謂e-ヘルス、或いは モービル機器を駆使する m-ヘルス/m-メディスンの紹介をして頂きます。例えば、腕時計タイプのワイアレスセンサー機器により、体温や血圧、更に排尿・排便や睡眠パターンの常時遠隔モニターが可能になってきており、離れた場所で何人もの患者の様子が観察出来る様になってます。この継続的な遠隔測定・観察に基づいて状況に応じた効率的な巡回・訪問介護サービスが可能になります。他方、入浴介助など体力を要する介護労働を代替え・補助出来るロボットの実用化も進んでおり、これらの最先端技術もご紹介頂きます。この、電子機器やインターネット、モービル機器を駆使したe-メディスンや m-メディスンが過疎地医療に有効である事が実際に示されており、この事はここニューヨークメトロポリタンエリアに住む日本人高齢者の介護ケアにも有効であろう強い期待を抱かせます。
     
    高齢の在米日本人にとってはこの方向の在宅介護チームケアの必要性は緊急の課題ですが、在米日本人が近い将来利用できる可能性がある患者本人をも含めたチームケアについてお話を伺います。
     
    塩井純一 Ph.D.
    元マウント・サイナイ医学部助教授、現社団法人「認知症高齢者問題研究所」理事
    名古屋大学理学部分子生物学研究施設(現分子生物学科)にて細菌の行動を分子レベルで研究、1971年に修士号、1978年に博士号を取得後、1980年に来米。カリフォルニア州のロマ・リンダ大学医学部とミシガン州アン・ナーバーのミシガン大学医学部でポスト・ドク後、1985年ロマ・リンダ大学医学部で助教授。1990年に ニューヨークのマウント・サイナイ医学部に移りアルツハイマー病の分子レベル・細胞レベル基礎研究を始める。ごく最近日本で羽田野政治氏と共に電子機器・携帯機器を活用した高齢者介護のシステム開発に携わり始める。
     
    日時: 2016年12月5日(月)
    場所: 日本クラブ5階サクラルーム
    145 West 57th Street, 5th Floor, New York, NY 10019
    時間: 6:30 pm ― 8:00 pm (受付・開場 6:00 pm)
    参加費: 会員$15 / ゲスト$20 (ドリンク代含む)
    申込、お問い合わせ:日本クラブ
    (担当:本多 Tel: 212-581-2223 yhonda@nipponclub.org)

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